今年10月、78歳で死去した料理評論家・服部幸應さんのお別れの会が、先週金曜日に開催された。服部さんは番組「料理の鉄人」で、一流人同士の真剣勝負を軽妙な語り口で解説し、人気を博した。先週金曜日に行われた合同葬では、トレードマークのマオカラースーツに実を包み、優しく微笑む遺影と、1万2000本の赤と白の花で埋め尽くされた。葬儀にはパティシエ・鎧塚俊彦さん、女優・水野真紀さんら8000人が参列し、服部さんとの別れを惜しんだ。服部さんは服部栄養専門学校の理事長、校長という立場で和食のユネスコ無形文化遺産登録に尽力。23年前、服部栄養専門学校の生徒だった水野真紀さんは、当時の思い出、ムッシュの愛称で知られるフレンチの鉄人・坂井宏行シェフは服部さんの人柄について語った。服部さんと坂井さんは番組共演以来、30年以上の親交があり、今回弔辞を読んだ。服部さんは穏やかで、時に冗談を言うなど、茶目っ気のある性格だった。坂井さんは服部さんの怒った顔を見たことがないと明かした。服部さんは各地を巡り、食育を伝えて来た。元モーニング娘・保田圭さんは服部さんとラジオ番組で8年半共演。服部さんが亡くなった日もラジオ番組収録後、昼食を共にした。保田さんは服部さんと出会うまで料理が苦手で、食への興味もあまりなかった。 服部さんから「人に良いと書いて食」という言葉を受け、食に対する考え方を改めた。約1年間、服部栄養専門学校に通い、食育を学んだ。食育の普及を長年続けた服部さんの戒名には、「食育」の文字が入っている。