昨年過去最多水準となったこどもの自殺について、厚労省担当・今田記者が解説する。先週、政府が自殺対策白書を発表した。それによると、去年、小中高生の自殺者は513人と過去最多となった、おととしの514人と同じくらいの多さ。10代の死因で最も多いのは自殺だという深刻な状況。こどもの自殺が多くなっている背景はわかっていないが、専門家によると、あくまで可能性の1つとして、SNSなどの普及で、本来、目にする必要がないものを見たり、極端に情報が偏ったりして極端に考えてしまう子や、未来に期待できない子が増えた可能性もあると分析していた。基本的に兆候はないという前提で考えてと専門家は指摘している。こども家庭庁の研究事業の調査では、自殺したこどものおよそ45%は直前まで以前と変わらず登校していた。自殺予防対策に取り組むNPO法人ライフリンクは誰がいつ自殺しても不思議ではないとしている。まずは子どもが話をできるかが重要。新型コロナの影響を受けた2020年の女の子の自殺は前の年の1.6倍以上と増えた。放課後や給食のときなどに、友達、先生と話す機会が減ったことで悩みなどを1人で抱える子が増えた可能性もあると分析している。つまり、自殺を防ぐためにも子どもが話をしやすい、話を聞いてもらえるような関係を日ごろから作ることが重要だ。子どもの電話相談などを受けるNPO法人チャイルドライン支援センターによると、相談の動機は話を聞いてほしいが8割ほど、答えが欲しいは2割以下だった。専門家は自殺したいほどつらい気持ちを受け止める、寄り添うことが何よりも大切だとしている。