新大統領に期待するシャミラ・イクバルさんは夫と3人の娘と暮らしている。夫の月収はスリランカの平均月収の約半分で、夫の年収分の借金も抱えているという。イクバルさんは、新政権にはこの窮状から救ってほしいと訴えている。スリランカの貧しい人達の生活を圧迫したと言われているのが、ウィクラマシンハ前大統領が進めた緊縮政策。ウィクラマシンハ氏は債務不履行に陥った経済を立て直すため、去年3月にIMFから4年間で約30億ドルの金融支援を取り付けた。しかし、その条件として課されたのが「財政の健全化」で、増税や電気代の引き上げに踏み切った。一時70%超となったインフレ率は今年7月には2.5%にまで落ち着き、経済も持ち直したが激しい反発を招いた。新大統領のディサナヤケ氏はこうした緊縮政策を批判し、増税を前提とした“IMFとの合意を見直す”と明言している。IMFとの合意見直しについて、新首相に任命されたアマラスリヤ氏は、IMFとは既に協議を始めているとした上で「IMFが出した条件はスリランカの状況に合わせて作られていない。前政権がスリランカの事情を考慮してIMFと協議・合意したとは思えない」などと話した。