政府は高齢化が急速に進む中、必要な施策の方向性を定めた「高齢社会対策大綱」をおよそ6年ぶりに改定するため、有識者会議で内容の検討を進め、このほど報告書がまとまった。この中では、高齢者の就業者数が過去最高となり、就労意欲の高まりが指摘される中、年齢にかかわらず能力を発揮できる環境の整備が重要だとしている。そして具体策として、在職老齢年金に関し、65歳以上の人が一定の収入を得ると年金が減額される仕組みの見直しなどを検討すべきだとしている。また、技術や経験を生かすためのリスキリング(学び直し)の支援の強化や、資産形成に向けた金融教育の充実も盛り込んでいる。一方、1人暮らしの高齢者のさらなる増加が見込まれるとして、住まいの確保などニーズに応じたきめ細かな生活支援の体制構築も求めている。政府は報告書の内容を踏まえながら、大綱改定の作業を進める方針。