3人家族の幹恵の母は末期がんで入院中。医者からは余命半年と言われていた。夫の修司は2年前のある出来事以来、幹恵の実家に対する不信感がきつくなっていた。父は2年前に急死したが、死後600万円の借金が残っており、その借金を夫婦が肩代わりしていた。ある日、行政書士から戸籍調査の許可がほしいと電話が来た。承諾するとしばらくして一通の封書が届いた。そこには「資産の一部を相続出来る可能性がある」と記載されており、幹恵は折り返し電話をかけた。行政書士が訪れ話を聞くと、資産について正式に調査した方が良いとの事だった。数日後、幹恵は私的財産に転換する手続きに必要だという費用を支払う事を決断した。夫に事情を話すと明日警察に行くと言われ、行政書士に電話をかけると繋がらなかった。名刺にある住所も架空の住所で全て嘘だった。その後、幹恵は夫から離婚を言い渡された。