田中泰輔の解説。「『来年は円安か円高か』では問題をかけ違う」。来年の相場予想について、一応公式見解として25年末140という数字を出している。円高派、円安派みたいなラベル張りをして一方に肩入れすることが相場実践の場においては多分意味をなさないだろう。この2年振り返っても1年に20円以上の幅で上下している。それに対する相場の対応自体が企業にとっても投資家にとっても重要だったという場面がある。2025年に関してもこの延長線上で上下のリスクがあるという見方をしている。FOMCの最新の見通しで来年は利下げ2回。今年あるいは去年の経済指標のダイナミズムを見てもそんなに落ち着いているはずないと見るのが普通。過去の経済サプライズ指数の振れ幅についてリーマンショック後とコロナ禍後を比較し、季節調整のズレが要因で上下振れとなっている。来年もこの通りであれば利下げの回数が3回~4回もあり得る。安穏と年2回の利下げというようなことで着地するはずがない。上下動がある中で考えると基調は円安でもその中でこうやって20円幅ぐらいで円高に触れるみたいなことがあったら、相場をやっている人はそっちを見ないといけない。上下動に対し柔軟性をもって望むことにしている。