今週は、「アルツハイマー型認知症」の治療薬をめぐるあらたな動きがあった。10日、アメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)の諮問委員会がイーライリリーのアルツハイマー治療薬「ドナネマブ」について、全会一致で承認推奨した。FDAは、この諮問委員会の評価を得ながら年内に承認を最終判断する見通しで市場投入に向けた大きな一歩になる。アルツハイマー治療薬をめぐっては、昨年、アメリカの「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が共同開発した「レカネマブ」という治療薬が米国で正式承認されていて投与が始まってる。アルツハイマー病の治療について、将来的な市場規模は現在の約50倍の130億ドルに達する見方もある。これらの治療薬は、いずれもアルツハイマー病の進行に繋がるとされてる「アミロイドβ」を取り除く点では共通してる。ただ、「エーザイ」の治療薬は、継続的に接種する必要がある一方、「イーライリリー」の治療薬は、1年程度の利用で投薬を停止することを目指してる。また、投薬の頻度も「エーザイ」は、2週間に1回なのに対し、「イーライリリー」は、1ヶ月に1回になる予定。これらの優位性から、承認された場合は、エーザイより、イーライリリーの治療薬の方が普及する見方もある。イーライリリーは現在、「肥満症」の治療薬で注目されてるが、アルツハイマー病の治療薬も成長の柱になると期待されてる。