9月上旬、文田選手は所属する企業の表彰式に参加していた。サプライズで受け取った報奨金はなんと3000万円。文田選手は「忙しいけど心地よい。自分が一番金と銀の差を分かっている」などと話した。3年前の東京五輪。文田選手は当時世界選手権を2度制覇しており、金メダル最優力として期待を一心に背負っていた。しかし結果は銀メダル。東京五輪が終わってからはトレーニングもせず、マットでの練習もしなかったという。それでも再びレスリングに向かう原動力となったのが家族の存在。東京五輪前から交際していた妻・有美さん。長女にも恵まれた。文田選手は有美さんに対して今まで言えなかったことをぶつけたという。文田選手は「奥さんが横にいたから自分の言葉にして言えて受け入れられたと思います」などと話した。そして文田選手は「娘が覚えていてくれるまで長くレスリングをやって記憶に残したい。結婚して娘が生まれてから考えるようになった」と明かし、娘にパリ五輪でかっこいい姿を見せることが文田選手のモチベーションになっていた。