2023年8月以来、663日ぶりのマウンドに立ったドジャース・大谷翔平。最速161キロを記録するなど見事な投球でスタジアムを沸かせた。MLB解説者・長谷川滋利は「理想的なフォームに近づきつつある」などと指摘した。投球フォームから見えた大谷の進化とは。エンゼルス時代の2022年には自己最多の15勝、翌年も2年連続の2桁勝利をあげた。おととし8月の試合で右ひじの靭帯を痛め、自身2回目の右ひじを手術。1年以上マウンドに上がることができなかった。日本時間11日に行われた実戦形式での投球では、3イニングで6奪三振と順調な調整ぶりを見せた。17日、ドジャース移籍後初めてのピッチング。観客はスタンディングオベーションで迎えた。相手は同じ地区のライバル、パドレス。エンゼルス時代の2023年にはわずか6%だったシンカー。この日はその割合を5倍近くに増やして投球を組み立てていた。ストレートの平均スピードは159.5キロだった。シンカーと、最も多く投げたスイーパーも平均スピードが手術前より4キロ以上アップしていた。大谷が今シーズンから取り入れている新フォーム「ノーワインドアップ」が球速アップにつながっているという。長谷川は3つの変化「顔の位置」、「足のあげ方」、「ひじの曲がり具合」を指摘した。ひじへの負担を減らす効果もあるという新フォーム。仕上がり具合について長谷川は「まだまだ5割ぐらいだと思う」などと述べた。打者としては同点に追いつくタイムリーツーベースを放ち自らの失点をバットで取り返した大谷は記念すべき二刀流復活の日を勝利で飾った。試合後大谷は「野手よりは緊張した」などと述べた。