1年前まで毎月の赤字30万円、借金2000万円で今にも潰れそうだったラーメン店が今夜アメリカ進出に挑む。10月2日オープンまであと4日。地区優勝を決めた大谷翔平選手がプレーオフシーズンに向けて練習を再開した頃。佐瀬社長はロサンゼルスにいた。心配事はラーメン以外にもあるようだった。実は海外での店の内装工事も佐瀬社長にとっては初めて経験した難題だった。日本の「鶏そば炭や」は古材をふんだんに使い炭の雰囲気にマッチしたぬくもりを感じさせる内装。当然ロサンゼルスのお店でも同じ雰囲気の内装を考えていたのだが、アメリカには古材がなく、古材を扱える職人がいないのだという。そこで佐瀬社長が日本の店舗デザインを手掛けたファンインターナショナルと考えたのが、京都で全パーツを作り番号を振って分解し、それをロサンゼルスまで空輸、現地でプラモデルのように再び組み立てることでアメリカの職人でも簡単に作業することが可能になり、通常なら1ヶ月かかる工事期間をたった2週間まで短縮出来ていた。その仕上がりは古材を使った温かみのある店内に。壁に飾られた味のある絵、アクセントは炭焼きの店に相応しい炭そのもの。訪れたアメリカ人も喜ぶこと間違いなしの内装に。そして、店の前には日本を象徴する真っ赤な提灯が。