バイデン政権だった去年、アメリカ南東部を襲った巨大ハリケーン「ヘリーン」発生直後、政府の災害支援組織FEMAに対するフェイク情報がネット上で広がった。FEMAは被災地域(ノースカロライナ州)の15万世帯に救援金を出すなど救援活動を行った。救助の妨害や土地を奪うといった事実はない。被災者の中には「政府やFEMAは何の役にも立たない」と話す人もいた。銃でFEMA職員を脅迫する事件もあり、一部では支援が滞った。去年、大統領選の演説でトランプ氏は政府の災害対応への批判を繰り返し、「政府はFEMAの資金を不法移民のために使っている」と主張した。トランプ氏の発言はCNNなどが実施したファクトチェックでは「根拠のないもの」と判定されている。ロサンゼルスの大火災でもフェイク情報が拡散された。災害時は特にフェイクが広がりやすいと言われている。フェイクによってFEMAの信頼は揺らぎ、トランプ政権移行後、解雇などにより3分の1の職員が削減された。