- 出演者
- 笠松将 宮司愛海
ガスト大森山王店でトーク。笠松将と宮司愛海が最近何を聞いているかという話。今回のテーマは「BEEFの歴史」。講師はDJ YANATAKE。
オープニング映像。
DJ YANATAKEがBEEFについて解説。HIPHOPにおけるBEEFとは、いざこざが起きた時にお互いの悪口を曲にしたり、それをまた曲で返したりすること。BEEFという呼称の由来は、1984年にアメリカのファストフードメーカーが比較広告のCMを出し、他のハンバーガーチェーンに喧嘩を売ったことに由来する。BEEFの一番最初は、1908年代初頭、Busy BeeとKool Moe Deeどっちの方がパーティーを盛り上げられるかという勝負。いつものスタイルで盛り上げるBusy Beeに対し、Kool Moe Deeはそれまでになかたった相手を攻撃するスタイルで会場を沸かせた。このパーティーの模様は録音されており、カセットテープにダビングされ全米中に知れ渡る伝説のパーティーとなったという。1984年には「The Roxanne Wars」というBEEFの大きな事件が。UTFOのヒット曲「Roxanne,Roxanne」の内容に腹を立てたRoxanne Shanteがアンサーソング「Roxanne’s Revenge」を発表する。1985年に起きたのは「The Bridge Battle」。MC Shanの楽曲「The Bridge」の内容に腹を立てたKRS-Oneがデモを作成し、Kool DJ Red Alertに渡すことに成功。ラジオで何度もオンエアされる結果となった。一方MC Shanの「The Bridge」はMr.MagicというDJが番組でかけて盛り上がっており、背景にはラジオ局同士の争いがあったという。今のようにインターネットを通してのBEEFではないので一回一回の争いに時間がかかっており、このバトルは2年から3年続いたという。KRS-One側のBoogie Down Productionsのメンバーがある事件で亡くなってしまうということもあり、争っているだけではダメだろうということで「The Bridge Is Over」という曲を発表。このバトルは終焉を迎えた。KRS-Oneはこのバトルを通し、“STOP THE VIOLENCE MOVEMENT”を呼びかけた。
Deep Lecture BEEFの歴史についてのトークを展開。宮司さんは「歴史として始まったばかりの文化、1980年代にバトルや女性ラッパーがアンサー出したり」などと話した。笠松さんは「同じトラックのビートの上だからこそ私のほうがスキルがあるとかがある」と話した。「BEEF」「ディスる」は浸透しているがいつから使っているかの質問に宮司さんは「フリースタイルダンジョンらへんな気がしません?」などとし2007年ごろにバラエティ番組に出演したラッパーが広めたと紹介した。
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- フリースタイルダンジョン
DJ YANATAKEの「1990年代 史上最悪なBEEF」の紹介。アメリカで人気絶頂の西海岸を代表するラッパー2PACと東海岸を代表するThe Notorious B.I.G.のBEEFが東西抗争と呼ばれる。きっかけは1994年Little Shawnとのコラボのため2PACがニューヨークスタジオを訪れた時強盗に遭い5発の銃弾を受け、現場にいた犯人と思われる人物らがThe Notorious B.I.G.が作ったHIPHOPグループJunior M.A.F.I.A.、The Notorious B.I.G.の陰謀なのではと敵意を感じるようになる。The Notorious B.I.G.の「Big Poppa」の曲カップリング「Who Shot Ya?」が事件を歌っているのではと腹を立てることになり、後に違うと弁明しているが疑念が増した。1995年専門誌「THE SOURCE MAGAZINE」主催のアワードがニューヨークで開催。Suge Knigh立ち上げのデス・ロウ・レコード、Puff Daddyが作ったバッド・ボーイ・レコーズがあったが受賞の時Suge KnighがPuff Daddyをディスるようなスピーチをし東西抗争の原因となった。BEEFが大きくなった要因にはメディアによる煽りがあったという。2PACは引き続きニューヨークを攻撃するようなラップをリリースしていたがラスベガスのマイク・タイソン試合を見た帰りに銃撃され亡くなる。約半年後にThe Notorious B.I.G.がロサンゼルスで銃撃され死亡、双方犯人は分かっていない。このことがきっかけに東西抗争は終焉に向かった。
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- 2pacBig PoppaJunior M.A.F.I.A.The Notorious B.I.G.THE SOURCE MAGAZINEWho Shot Ya?グラミー賞シュグ・ナイトデス・ロウ・レコードニューヨーク(アメリカ)バッド・ボーイ・レコーズパフ・ダディマイク・タイソンラスベガス(アメリカ)リトル・ショーンロサンゼルス(アメリカ)
2000年代の新しいキング争いを紹介する。ニューヨーク代表するNasとJAY-Zによるキング争いと言われるBEEFが起こる。JAY-ZがレコーディングにNasを誘っていたが当日来なかったという小さいことから始まった。2001年に「Takeover」でNasを名指しで攻撃、大ヒットしたがディスソング「Ether」をリリースしたが評価が高く、内容を次にJAY-Zが越せなかった。2005年にJAY-Z主催のコンサートで2人は共演し握手で和解、Hip Hop Is Dead内の「Black Republican」共演し和解した。
宮司愛海は、Nazのライブをニューヨークで見たことがありしかもWu-Tang Clanとの2マンなどと話した。
2000年代に入ると、MIXCDが登場する。道端で売っているCDが新しいメディアのような役割を果たしていた時代がある。その状況を利用したラッパーが、50Cent。ありとあらゆる人に喧嘩をふっかけるような内容の曲をたくさん出した。売名行為のためにBEEF、DISSをとてもうまく利用した。売名行為が成功して50Centはまずストリートで一気に名前を売ることに成功します。2007年に、攻撃的なBEEFというよりはどっちが人気があるんだというようなことを50Centはうまく利用して、自分の売り上げにつなげていこうという算段を立てる。その相手がKanye West。Kanye Westがアルバム発売を1週間前倒しにして50Centと同時発売として、対決する構図を作ることに成功する。初週の売り上げはKanye Westが制した。HIPHOPのサブジャンル的な流行の移り変わりの瞬間であったとも言われている。
日本最初のBEEFを解説する。本格的なBEEFが、キングギドラのK DUB SHINE、BUDDHA BRANDのDEV LARGEによるBEEF。発端は、雑誌「BLAST」に掲載されていたK DUB SHINEのインタビューと、「理由」の中の「来たぜ」という曲の歌詞の中での批判。BUDDHA BRANDがこれに腹を立てた。YouTube、2ちゃんねるの誕生で全国に広がった。その後、和解。TERIYAKI BEEFは、SEEDAとVERBALのBEEFのこと。TERIYAKI BOYZが発表した「SERIOUS JAPANESE」という曲の中での歌詞が発端いなった。「Sai Bai Man」という曲の一部を使用したという。SEEDAはこれをディスってると思い、「TERIYAKI BEEF」というディスソングを発表。MVではテリヤキバーガーを叩き潰すパフォーマンスをした。VERBAL側は、ポッドキャストで事情を説明。SEEDAをリスペクトしたのだと述べた。無断での使用は謝罪。HIPHOPは自浄作用があるという。その後、和解した。「L.P.D.N.(feat.VERBAL)」tpいう曲での和解となった。L.P.D.N.はLove、Peace、Dream、Nextの略だとのこと。Nujabesというプロデューサーの「Luv(sic)Part2」という曲と同じネタをサンプリングした楽曲で、SEEDAとVERBALがラップを乗せた。
笠松さんは、TERIYAKI BEEFを歌えるとのこと。YouTubeにミュージックビデオがあるという。「Players’Player feat.KREVA」OZROSAURUSが印象的だと笠松さんがいう。ミュージックビデオでOZROSAURUSとKREVAで共演しているとのこと。
Kendrick Lamar対DrakeのBEEFがもたらしたもの。物議を醸し出したという。Big Seanの「Control」という曲に、Jay ElectronicaとKendrick Lamarが参加した。Kendrick Lamarは2PACの子孫だと言っている。ニューヨークの王でもあるという。ラッパーの名前をあげたラップをした。2024年にLike That事件があった。FutureとMetro BoominによるLike Thatという曲に、Kendrick Lamarが参加。それが発端でKendrick LamarとDrakeのBEEFがはじまる。Kendrick LamarのNot Like Usは歴史的大ヒットになった。グラミー賞で主要部門2つを獲得。スーパーボウルのハーフタイムショーに出演。HIPHOPは黒人が作り上げた文化だ。差別と戦うために作り上げたという。ポップカルチャーを代表するDrakeが叩かれることになったのではないか。喧嘩が音楽になってそれがエンターテイメントになる。
笠松将は「HIPHOPはひとつの音楽だけではなく、スポーツであり、エンタテインメントであり、お祭りであり、みたいな。あとはやっぱりアメリカから生まれた文化なんだなと凄い思う。お金にかかる能力が高すぎる。(BEEFは)面白いし、最後は仲直りまで追いかけたい」とコメント。
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2025年5月1日(3:00)