岸田首相へ単独インタビューを行った松山政治部長が解説。岸田首相の訪米に関連して公式晩餐会にYOASOBIが出席したことについては、人選を巡り首相周辺が事前に聞き取り調査を行い、YOASOBIがボカロと呼ばれる音声合成のAI技術を使って最先端の音の作り方をしていること、アニメーションの物語と連動した楽曲を行っていることなどからソフトパワーの発信という意味では適任だということで人選が行われた。YOASOBIは晩餐会の主賓が座るバイデン大統領などと同じテーブルに座ったが、主賓席に座ることを1時間前まで知らされていなかったことも分かっている。日本のソフトパワーを発信するんだという期待感が主賓席に座ってもらうことからも表れていると思われる。議会演説では議員たちが15回以上立ち上がって拍手するシーンがあったが、多くの議員が演説後に岸田首相に詰め寄ってしばらく懇談を続けていたことからも反響は大きかったと言える。演説内容もこれまでの日米強化だけでなく同志国・同盟国合わせてグローバルパートナーとして専制的な国に退治していくんだとのメッセージを発信したと。その専制国家に対する1つの大きな塊を作るんだという意味では1つの歴史の大きな転換点を作ったという成果があったことは言える。一方で日米首脳会談が行われたアメリカの新聞各紙を見てみるとニューヨーク・タイムズなどは11面くらいでやっと取り上げている感じだったが、地元ワシントン・ポストなどはほとんど記事にもしていない状況。テレビのニュースでも 日米首脳の共同記者会見が報じられてはいたが、岸田首相についてはほとんど言及されず、バイデン大統領が質問者の名前を忘れて紙を探したりするシーンが繰り返し流されて「高齢批判」に絡めて大統領選のニュースとして報じられるぐらいで日本の発信という意味では課題が残った。日本国内では政治とカネの問題を巡って処分を行ったばかりだが、支持率が低迷している中で岸田首相が訪米して国際的な話を発信するのは良いが、の処分の問題や支持率の問題に目をそらしているだけじゃないかという批判は野党だけでなく与党にもあるのでかなり課題は残っていると言える。