大統領就任から約2週間。何事もアメリカ・ファーストと掲げて始まった政権にすでに世界が振り回されている。トランプ大統領がアメリカの安全のために必要だというのがメキシコの国境などから国内に流入する不法移民を阻止すること。そして合成麻薬「フェンタニル」を阻止すること。「フェンタニル」は中国からカナダ・メキシコを経由して入ってきていると主張。これらを食い止めるため、4日からメキシコ・カナダから輸入品に25%の関税、中国に関税を10%上乗せする。メキシコの大統領と話し、国境に兵士を送ることで合意したためメキシコへの関税発動を1か月先延ばしにすると発表した。さらにカナダの首相とも話し合ったとし、カナダへの関税発動を30日間停止するとした。カナダは薬物対策としてアメリカと合同で特殊部隊を立ち上げるなどの対策をとるという。関税などの脅しによりアメリカに有利な交渉をする狙いがあると見られる。対照的だったのが中国。10%の追加関税は発動。中国政府は世界貿易機関のルールの重大な違反であり、自国の問題解決に役立たないだけでなく米中間の正常な経済貿易協力にも損害を与えるとした。さっそく報復措置を発表。独占禁止法違反の疑いでグーグルの調査を行うとした。石炭と液化天然ガスに15%、原油や一部自動車などに10%の追加関税を課すことなど相次いで発表している。