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「一帯一路」 のテレビ露出情報

「一帯一路」とは2013年に習近平国家主席が提唱した巨大経済圏構想のこと。アジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートを作り、貿易を活性化させて経済成長しようというのが狙い。今年6月の中国政府の発表によると一帯一路には151カ国、32国際機関が加盟しており、10年間で道路や鉄道の整備など3000件以上のプロジェクトを手掛けてきたという。中国と参加国との累計貿易総額は年々伸びていき、去年まで19.1兆ドル(約2860兆円)にも及ぶ。きのう行われた一帯一路フォーラムの開幕式のなかで、中国の習近平国家主席は「ここ10年間、発展を勢いづかせ多くの成果を収めた。世界がよくなれば中国がよくなり、中国がよくなれば世界はさらによくなる」と成果を強調した。その一方で中国による債務のワナも指摘されてきた。例えばスリランカでは中国の融資を受け、港などのインフラ整備を行ったが、借金の返済ができずに港の運営権を中国に譲渡した。そして去年7月には国家破産宣言をしている。またジェトロによると、ラオスでは2021年、中国までを結ぶ初の長距離鉄道が完成した。経済発展が期待されていたが、貨物輸送量は計画の3分の1にとどまっているという。ラオスは債務の返済が厳しくなり権益の譲渡などを迫られる可能性も高まっているという。こうした状況がいま中国にはねかえってきているという。米・ボストン大学の調査によると2000~2022年の中国からアフリカ諸国への融資総額は想定1700億ドル(約25.5兆円)に及んでいる。中国は去年8月、アフリカ諸国へ債務の一部免除を発表した。これに対し中国国内のSNSでは住宅ローンなどの返済免除を求める書き込みであふれたという。その背景には中国の不動産バブルの崩壊により、不動産大手が資金繰りに困っていることが関係している。アメリカの調査会社「ロジウム・グループ」によると2020~2022年に発生した融資の焦げ付きは約11.5兆円にものぼるという。こうした状況について毎日新聞は国際金融筋の話を報じている。中国自身が債務のわなに陥っているとの声もあがっているという。阿古先生は一帯一路は何を目的に始まったのかについて「中国が海外に向けて影響力を増していくというのが一番大きいと思うが、海外のインフラ整備などを支援する。そこに関わる中国企業の海外進出をサポートする側面もあると思う。イタリアのような国にとってみれば効果はほとんど得られないと感じると思う。融資を受けて自分たちの国の雇用を増やしたりインフラ整備の側面もあるが債務のわなにハマっている。中国の経済もかなり落ち込んでいるので、中国と結びついて経済を活性化するという意味ではデメリットのほうが大きくなっている。」などと答えた。
こうしたなか中国は一帯一路の方針を変化させようとしている。そのキーワードが量から質への変換だという。きのう一帯一路フォーラムで習近平国家主席は一帯一路においてより高品質な発展を共同で構築すると発言した。これまでは鉄道や港湾など大規模インフラなどへの過剰な融資といった量を重視してきたが、今後は質にこだわった事業を進めていくという。演説のなかでは具体的に陸・海・空の交通網の整備、科学技術の発展を促進、環境に配慮した投資など8項目の行動指針を発表した。中でも中国が力を入れているのが環境に配慮した投資に当てはまる原発の輸出。中国の人民網などによると中国国産の原発「華龍1号」がパキスタンで今年2月に完成・稼働した。去年2月にはアルゼンチンと原発の建設で契約。今年5月にはカザフスタンと原発技術に関する協力の強化で合意した。さらに中国が世界初と主張する小型原子炉「玲竜1号」の輸出準備も進めているという。アメリカのシンクタンク「ウィルソンセンター」は中国の原発輸出について「中国の原発を輸入する国には安全に運用する技術・人材が不足しているため何十年にもわたり中国への依存度が高まることになる」としている。つまり運用における人材の派遣やメンテナンスなどで長期にわたり中国が関わることが可能になると分析している。そのうえ電力は生活に関わるために必ず利益が出ることが予想されている。また習国家主席は2020年の国連総会でCO2の排出量について2060年までに実質0にと発言している。さらに翌2021年の国連総会でも石炭火力発電所の新たな輸出はしないとCO2を削減することを改めて強調していた。つまり脱炭素を強調し、途上国へのアピールを行っているとみられる。さらに中国は通信インフラを一帯一路の沿線国に輸出していて、デジタル分野でも影響力拡大を狙っている。AFP通信によると中国のハイテク大手「ファーウェイ」は2018年からカタールで5G技術の開発を推進している。さらにジェトロによると2019年4月にはカンボジア政府と5G分野で協力する覚書を締結するなど通信においても影響力を増しているという。習主席は昨日の演説でも一帯一路の参加国との電子商取引に言及している。アメリカのカーネギー国際平和財団によると中国企業の人工知能を駆使した監視技術はすでに63カ国に輸出されているとされ、なかにはミャンマーなど人権問題が懸念される国も含まれているという。つまり通信ネットワークと監視技術をセットにして売り込んでいくのではと考えることもできる。習近平国家主席の発言の意図について阿古先生は「いま中国経済もかなり厳しい状況で大型の資金がかかるプロジェクトを推進するよりは小さくても利益率が高くハイテクの分野に乗り出すということなのかなと思う。原発は環境面においては良いのではないかという話もあるが、中国の場合、情報公開が進んでいないので心配されるところ。中国の原発技術は高い。中国は多くの原発を動かして電力を供給しているので安定的な電力供給の面ではある程度信頼性はある。原発は軍事転用も可能になるし、軍事的な技術の面においても技術者が育てられている。」などと話し、「中国としては今戦略を建てようとしているところで、人民元もいま中国経済が悪くなっているなかで価値が下がっていく可能性がある。世界的に経済が不況に陥っていくなかで戦略は必要なときにきている。雇用が重要な国々にとってみれば質を重視するようなところだと雇用は拡大しないし、多くの一帯一路のプロジェクトは中国から専門家や労働者も連れていっているので、海外の一般の人たちも中国のプロジェクトにいい印象を持っていないと思う。」などと述べた。

他にもこんな番組で紹介されています…

2024年9月4日放送 6:00 - 6:30 NHK総合
NHKニュース おはよう日本イラスト解説 ここに注目!
きょうから中国・北京にアフリカの50か国余りの首脳らを招いて、中国アフリカ協力フォーラムが開かれる。奥谷龍太解説委員が「中国は3年に一度アフリカの首脳らを集めた会議を開いて対アフリカ支援を発表している。6年前に北京で開かれた会議では600億ドルの支援を発表し、鉄道や港などのインフラ建設を進めてきた。また3年前の会議では400億ドルの支援を発表し、インフラだけ[…続きを読む]

2024年8月27日放送 4:15 - 5:00 NHK総合
国際報道INTERNATIONAL NEWS REPORT
アメリカ主導の多国間演習が行われる、米中対立の中でアメリカだけでなく中国とも良好な関係を維持する姿勢が目立っている。今月には2+2、中国とインドネシアの初外務・防衛の次官級会議が行われ、来年には閣僚級に格上げし両国軍による合同軍事訓練を実施でも一致した。翌週には中国インドネシアの外相会議も行われ去年開業したインドネシアの高速鉄道事業など一帯一路を加速や太陽光[…続きを読む]

2024年6月30日放送 19:00 - 19:30 NHK総合
NHKニュース7(ニュース)
中東のカタールでこのあと始まるアフガニスタン情勢を話し合う国連の会議。先ほど到着したタリバンの代表者たち。アフガニスタンの情勢についてドーハで話し合う国連の会議に、タリバンの代表が出席するのは初めて。日本や欧米などの代表も会場に入った。アフガニスタンでは、タリバンによって女性の権利の制限が強まっていることから、国際社会がどのように関与できるかが焦点。タリバン[…続きを読む]

2024年6月20日放送 10:05 - 10:55 NHK総合
キャッチ!世界のトップニュース(ニュース)
中国の李強首相がマレーシアを訪れ、両国は経済関係を深めている。李首相とマレーシアのアンワル首相は、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の主要プロジェクト・マレーシア東海岸鉄道の統合ターミナル駅の起工式に出席し、両国は十数以上の覚書、合意文書に署名しマレーシアとの関係を強化しようとしている。マレーシアは50年前、ASEANの加盟国として初めて中国と国交を樹立し、そ[…続きを読む]

2024年6月16日放送 10:00 - 10:05 NHK総合
ニュース・気象情報(ニュース)
G7の議長国・イタリアのメローニ首相は、プーリア州で開かれていたG7サミット(主要7か国首脳会議)の締めくくりとして記者会見した。この中でサミットの主な議題の1つとなったインド太平洋地域の情勢について、イタリアとしても関与を強める考えを強調した。そのうえで日本との間で取りまとめた行動計画に基づいて、安全保障分野などで連携を一層強化していく方針を示した。イタリ[…続きを読む]

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