損害保険大手の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が、再来年4月の合併に向けて検討を進めることが明らかになった。合併が実現すれば、売り上げに当たる収入保険料は、2兆9000億円余りとなり、東京海上日動火災保険を抜いて、国内最大の損害保険会社となる。両社は同じグループとして、保険商品の開発などで連携してきたが、合併によってシステム統合などを進めて経営を効率化する一方、成長が続く海外やデジタル分野の投資を加速し、安定した利益を確保できる体制を作るとしている。今回の合併によって、業界は東京海上日動火災保険、損害保険ジャパンをあわせた3大損保がシェアの大半を握る勢力図となり、保険商品の販売やサービス面の競争が一段と激しくなると見られる。同じグループにありながら、両社が選択したのは、経営体制を一新する合併だった。自然災害の激甚化や、人口減少がますます加速し、この先も経営を安定させるには、もはや個々の努力では間に合わないのではないか。合併検討にはそうした危機感がにじみる。さらに最近では、代理店による保険金の不正請求など、業界の信頼を揺るがす深刻な問題も相次いで発覚。顧客本位の視点を欠いた慣習を抜本的に改めるよう指摘されていることも、両社の背中を押したと見られる。ビジネスの安定だけでなく、企業風土の転換を同時に進められるのか、難しい検討になりそう。
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URL: http://www.ms-ins.com/
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