三島では富士山の麓に広がる斜面を利用して、古くから大根づくりが行われてきた。その名が広がったのは昭和初期。農家の平井源太郎が中心となり、地元の民謡「農兵節」を歌いながら大根を売り歩く活動を展開すると、その美味しさが知れ渡り、高く評価されるようになった。三島大根の美味しさの秘密は、日照時間が長く、寒暖差のある気候にある。さらに、富士山の火山灰が積もってできた土壌も大根づくりに適している。本間一平さん夫婦が大根を収穫し、一本一本洗っていく作業を取材した。大根は重く、水は冷たい。機械では汚れが落ちきらないので、手で洗うことが必要なのだという。