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今回は、富士山の麓、静岡県三島市の伝統野菜「三島大根」について紹介する。瑞々しくて甘みが強い。煮込めばとろけるような口当たりに、焼けばボリュームたっぷりな味わいに。
この日、三島市の直売所では収穫を祝う大根祭りが開かれていた。名産品のたくあんが飛ぶように売れていく。大根など地元の野菜を味噌で煮込んだ三島汁が振る舞われていた。
地元の老舗ホテルにある「割烹 菱屋」では、「三島大根とうなぎのかさね蒸し」など、三島大根を使った創作和食を味わえる。
地元の野菜を使った料理が評判のカフェレストラン「Cafe&Bar Ocean」では、ヘルシーな「三島大根のドリア」などが振る舞われている。
三島では富士山の麓に広がる斜面を利用して、古くから大根づくりが行われてきた。その名が広がったのは昭和初期。農家の平井源太郎が中心となり、地元の民謡「農兵節」を歌いながら大根を売り歩く活動を展開すると、その美味しさが知れ渡り、高く評価されるようになった。三島大根の美味しさの秘密は、日照時間が長く、寒暖差のある気候にある。さらに、富士山の火山灰が積もってできた土壌も大根づくりに適している。本間一平さん夫婦が大根を収穫し、一本一本洗っていく作業を取材した。大根は重く、水は冷たい。機械では汚れが落ちきらないので、手で洗うことが必要なのだという。
オープニング映像。
本間亜樹子さんが「三島大根」を使った料理を紹介。下茹でした「三島大根」をバターで焼くことで「三島大根のステーキ」が完成する。「三島大根」を白菜などと一緒に煮込み、味噌を溶かすと「三島大根の豚汁」が完成する。
本間一平さんは20代の頃、実家の農業を継ぎ、大根栽培を始めた。虫に食われて出荷できない大根ばかりが出来、畑には廃棄する大根の山ができていた。そこで観察を続けたところ、発芽したばかりの芽に害虫がついていることに気づいた。芽が出たらすぐに消毒し、害虫を防除。土寄せを頻繁に行い風通しを良くした。すると上質な大根を育てることができるようになった。
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「とびきりワイン&マンマのイタリアン ロザート」の笹俣江梨子シェフは2018~2022年、静岡県から「The 仕事人 of the year」として表彰された。笹俣江梨子シェフは三島大根の新たな可能性を引き出したいと考えている。この日、笹俣シェフは新作料理に使う大根を分けてもらいに本間さんの畑を訪ねた。注目したのは大根の葉の部分。店に戻った笹俣シェフは新作料理に取りかかる。大根の葉を練り込んだパスタ「三島大根のタリアテッレ トマトソース仕立て」が完成し本間さんを試食に招いた。
三島大根の生産者・本間さんの「たくあん」作りを取材。たくあん作りに使う干し大根は、一般的な青首大根に比べて細長く、水分が少ないのが特徴。束ねて天日で干していく。今ではこうした手間をかけてたくあんを作る人が減ったという。畑一面に大根を干す光景は三島の冬の風物詩となっている。冷たい風にあてることでうま味が増していく。
三島大根の生産者・本間さんの「たくあん」作りを取材。干した大根をぬかに漬けて2週間が経ち、たくあんが仕上がった。農家仲間と試食した。今では作り手が少なくなった「たくあん」を本間さんは大切に守り続けている。
エンディング映像。
次回予告。