介護保険の総費用は年々増え続けている。介護保険の財源の内訳は、国や都道府県などが負担する公費が50%、40歳以上が支払う保険料が50%。松下氏は「処遇改善がついたとしても経営者が経営していかないと廃業に追い込まれてしまう。報酬を上げるための介護の財源が必要」、川内氏は「介護サービスの議論だけで良いのか」、高野氏は「介護サービス自体が衰退してしまっている。介護報酬など、地方の特性に応じたものに変えていくべきではないか」、飯野氏は「まずは本人の資金を使ってやっていく訳だが、足りなくなれば家族が払う。結局は介護保険サービスを使わないようにしようとなってしまうのではないか」などと話した。また、川内氏は「親が長生きすることを喜べなくなるような経済負担を子がするのは介護としては本末転倒ではないか。経済的なものは本人のお金でというのが大前提にしていきたい」などとした。地域包括ケアシステムとは、高齢者が住み慣れた地域で自立した日常生活を送れるよう、医療などが包括的に確保される体制のこと。松下氏は「鹿児島県三島村という小さな島に毎月訪問して10年になる。限られたサービスだが、周りが支え、三島村独自で訪問介護事業所で介護じゃない支えの部分のヘルパーという形でやっている。地域包括ケアシステムは様々な自治体が取り組んでいるところ」などと話した。土居氏は「都道府県がまずは積極的に関与する、そういうところから始めるというのも1つ」、高野氏は「現下の制度では介護保険制度がさらに充実していくという方向性を私は見いだせない。そうなると給付と負担の議論は避けられない」などと指摘した。土居氏は「経済力や地域や事業者など差が大きい。全国画一的に仕組む介護保険サービスをどうやって差を活かしてやっていくか、今後さらに問われるところだと思う」などと話した。