2つの星が互いに回り合う連星。宇宙のあちこちにあり、この中には相互作用で繰り返し爆発を起こすものがある。爆発を起こすと一時的に急激に明るくなり、あたかも新しい星が生まれたように見えるため「新星」と呼ばれる。この現象がまもなく見られるのではないかと専門家や愛好者が注目している星がある。夏の空に見られる「かんむり座」。すぐ近くにあるのが「かんむり座T星」。ふだんは暗いこの星が、およそ80年ぶりに肉眼で見えるほど明るくなると期待されている。徳島県阿南市にある科学センターでは観望会が開かれた。かんむり座T星の爆発現象は158年前と78年前の2回観測され、およそ80年周期とされている。時期がある程度予測でき肉眼でも見られる新星はまれだという。夜空のどこに注目すればよいのか、国立天文台の山岡均広報室長に聞いた。かんむり座T星を見つけるコツは夏の大三角の1つ、こと座のベガを目印に西側の方向を探すということ。ただ、注意点として見られるのは短い期間だという。
今回の「かんむり座T星」の爆発現象は単に肉眼で見えるようになるだけでなく、重要な意味を持っていると指摘する研究者もいる。私たちの遺伝子や骨などに必須の元素・リン。国立天文台の辻本拓司助教は今回の爆発でリンが月の質量の10倍も生み出されると試算している。これまで宇宙に存在するリンの起源は詳しく分かっていなかった。辻本さんはかんむり座T星のように繰り返されてきた新星の爆発現象がその供給源だと考えている。特別な思いで待つ人もいる。前回78年前の爆発現象を目撃したのが高野ひろ子さんの父親の吉原正廣さん。戦後まもない17歳のある夜、空腹で目が覚め夜空を見上げた。見たことのない星が輝いていることに気付き、自作の望遠鏡で観察。そのことを専門家に報告した功績が後に認められ、学会から賞が贈られた。
今回の「かんむり座T星」の爆発現象は単に肉眼で見えるようになるだけでなく、重要な意味を持っていると指摘する研究者もいる。私たちの遺伝子や骨などに必須の元素・リン。国立天文台の辻本拓司助教は今回の爆発でリンが月の質量の10倍も生み出されると試算している。これまで宇宙に存在するリンの起源は詳しく分かっていなかった。辻本さんはかんむり座T星のように繰り返されてきた新星の爆発現象がその供給源だと考えている。特別な思いで待つ人もいる。前回78年前の爆発現象を目撃したのが高野ひろ子さんの父親の吉原正廣さん。戦後まもない17歳のある夜、空腹で目が覚め夜空を見上げた。見たことのない星が輝いていることに気付き、自作の望遠鏡で観察。そのことを専門家に報告した功績が後に認められ、学会から賞が贈られた。