日銀の植田総裁は、金融緩和策について「現状維持とすることを全員一致で決定した」「企業の賃金 設定行動の一部に従来よりも積極的な動きがみられ始めているが、物価安定目標の持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っていない」などと発表した。長期金利の変動幅については、事実上1%までの上昇を容認するとしている。円相場は午前中1ドル=147円台後半だったが金融緩和策の維持決定を受けて、一時148円台半ばまで値下がりした。日米の金利差の拡大が意識されドル買いの動きが出た形。円安傾向が続いていることについて植田総裁は「経済物価への影響について政府とも緊密な連携をとりながら注視していきたい」などと述べた。また上昇が続く正気金利については、インフレ期待の上昇の中での動きでそれほど心配する動きではないと述べた。今日の植田総裁の会見について経済部日銀キャップの吉武洋輔は、市場の観測を打ち消して、円安や長期金利の上昇が更に進むことを避けたい思惑があったとみられ、慎重に言葉を選んで発言しているという印象だったという。