上高地のニホンザルは世界のサルの中でも有数の厳しい寒さのなかで生息していて、冬は川に生息する水生昆虫を食べていることが知られている。筑波大学や信州大学などの研究チームはNHK取材班の映像やふんのDNAを分析した。その結果は国際的な科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表された。映像の分析から、年齢・性別の偏りなくカゲロウやトビケラなどの水生昆虫を捕まえて食べていて、これらが冬の貴重な栄養源になっていることがわかったという。去年2月に例外的な気温上昇で日中の平均気温が0度を上回った際には、ふんから検出される水生昆虫の種類が大幅に減少した。気温上昇で上流の雪どけが進み川の水位が上がりサルが入れなかった可能性があるとしている。