何気ない街並みに潜むある問題。東京・世田谷区役所の”空き家対策専門チーム”が、ある物件の立ち入り調査に向かう。目指すのはツタに覆われた物件、屋根は崩れ落ち残った壁にツタがまとわりついている。建物に繋がっているのは細い通路だけ。リーダーは、空き家対策担当係長の千葉妙子さん。この空き家は「特定空き家」で、周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家として世田谷区は除却を命じたが、所有者がそれに応じていない。この日は建物を除却するための調査で、玄関へ続く通路の幅は97cmしかなかった。解体する時も通常の重機入れない厄介な物件。家の外の階段ではビールの空き缶が見つかっていた、誰が持ち込んだのか。空き家は害虫・害獣の発生場所になるだけでなく、犯罪の温床になる危険性もある。世田谷区はこれまでに13棟を特定空き家に指定してきた、指定された所有者は住宅に対する優遇措置を失い固定資産税の支払いが約6倍になる。さらに、所有者が対応しないと行政が解体しその代金を徴収される。異常気象の影響で劣化が加速しているという空き家。空き家が1軒あると、周囲の資産価値を3%下げるという調査もある。