- 出演者
- 首藤奈知子 寺園淳 スギちゃん
各地で発火事故が相次ぐリチウムイオン電池。リチウムイオン電池の安全な使い方から捨てる方法まで深堀りする。
オープニング映像。
スタジオにスギちゃんが登場。きょうのテーマは「リチウムイオン電池」。スギちゃんは「家にしまってあったモバイルバッテリーが膨張していて、家族であたふたした日があった」などとコメント。
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今年9月に東京・杉並区で起きたマンション火災。深夜にモバイルバッテリーでスマホを充電していたところで発火したとみられる。7月には山手線の車内でモバイルバッテリーから出火。乗客5人がけがをして約10万人に影響が出た。リチウムイオン電池は使用し続けると劣化し、内部に可燃性のガスが溜まり、熱や衝撃が加わることでガスが発火する可能性がある。5月に埼玉・白岡で発生した本庁舎の火災では、出火原因は電源プラグの接触不良だったが、机の上に置かれていたリチウムイオン電池が発火したとみられる。本庁舎の改修には4年かかる見込み。行政サービスは別の建物で行われていて、図書館の学習スペースが総務課などの執務スペースとなっている。一部システムが復旧せず、来年1月末までパスポートが交付もできない。
リチウムイオン電池の適切な使い方のポイントは「膨らんだら使わない」、「衝撃に注意」、「こたつ・ストーブなどの近くで充電をしない」の3点。、また、熱に弱いためこたつなどの近くで充電をしないよう注意。
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リチウムイオン電池の捨て方を紹介。捨て方は2種類あり、家電量販店などの回収ボックスに持っていくか、自治体が回収する方法。回収ボックスで回収できるのは業界団体に加入したメーカーの製品のみで、一部は引き取れない。また、変形したものや破損したものも対象外。回収ボックスで回収されない場合、多くは自治体が受け皿となり、袋に入れて他のゴミとは分けてもらうようにしている。膨張・破損した電池は区の清掃事務所などに持ち込むことができる。事務所では発火に備えて専用の容器を用意している。自治体によっては地域のゴミ置き場で収集せず、持ち込みだけを受け付けている所などがあり、どこも回収してもらえない場合は自費で業者に処分を依頼しなければならない。
NHKの調査ではリチウムイオン電池製品の回収について、東京では収集方法・条件は異なるものの全自治体で回収が始まっている。神奈川・埼玉・千葉でも多くが回収しているが、回収していないとする自治体が4、膨張・破損した電池は回収していないとする自治体は13あった。環境省では今年4月に自治体向けにリチウムイオン電池をできるだけ回収してほしいとの旨の通知を出した。ごみ処理施設での発煙・発火事故は全国で2万件以上発生。埼玉・上尾市ではごみ処理施設内に熱源探知器をつけて発火を感知したら自動で散水する体制を作っている。自治体によって回収方法が違うため、確認・分別することがポイントで、端子の部分に電気が流れないように絶縁テープを貼ると発火リスクを抑えられるなどと寺園氏は指摘した。国は来年4月より、メーカーなどに回収・リサイクルを義務化する方針で、従わない場合には罰金を科す方針。対象はモバイルバッテリーなどリチウムイオン電池が使われている3品目。
福岡・北九州市にあるリサイクル工場では全国から廃棄されたリチウムイオン電池が運ばれてくる。専用の機械で電池を選別し、熱分解を経てリサイクルしている。工場に運ばれてくるのはリサイクルの業界団体「JBRC」が回収した電池で、約400社のメーカーが加盟している。運搬や処理にかかるコストはメーカーが出し合う会費などで賄っている。工場では加盟していない海外事業者などの製品も混じるようになり、こうした製品についてもコストを負担して処理している。JBRC非加盟の約20社に電話取材をすると、多くは中国に拠点があるとみられる業者で、9割以上が記載された電話番号では通じなかった。広東省に拠点があるとされる業者に電話が繋がり、リチウムイオン電池の回収について聞くと、連絡をもらえれば返送先を教えると回答。回収すると答えたのはこの1社のみだった。JBRCはこれ以上加盟していない業者の製品が増えれば対応が難しくなるとしている。
QRコードの紹介をした。
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リチウムイオン電池の製造が世界1位の中国では、第三者機関がメーカーに対し、耐久性の抜き打ち検査などを行う事で安全性を認証している。しかしこの安全基準は輸出製品は対象外で、対応はメーカーに任されている。寺園氏によると、現在メーカーなどに回収・リサイクルを求める法律は基本的に国内の事業者が対象。EUでは全ての製造業者・輸入販売業者に無償で回収ボックスを提供することなどが義務化されており、コストを販売価格に上乗せすることが認められている。寺園氏は「リチウムイオン電池は便利だが不適切に扱うと危険。正しく回収してリサイクルすればニッケルなどの貴重な金属を回収できる。」などと指摘した。
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- リチウムイオン蓄電池欧州連合経済産業省
スギちゃんは「どの家にも絶対にあるが、まさか自分の家で膨れて見つかるとは思わなかった。他人事ではなく家の中を探して対応したほうがいいと実感した。」などとコメントした。
