福岡・北九州市にあるリサイクル工場では全国から廃棄されたリチウムイオン電池が運ばれてくる。専用の機械で電池を選別し、熱分解を経てリサイクルしている。工場に運ばれてくるのはリサイクルの業界団体「JBRC」が回収した電池で、約400社のメーカーが加盟している。運搬や処理にかかるコストはメーカーが出し合う会費などで賄っている。工場では加盟していない海外事業者などの製品も混じるようになり、こうした製品についてもコストを負担して処理している。JBRC非加盟の約20社に電話取材をすると、多くは中国に拠点があるとみられる業者で、9割以上が記載された電話番号では通じなかった。広東省に拠点があるとされる業者に電話が繋がり、リチウムイオン電池の回収について聞くと、連絡をもらえれば返送先を教えると回答。回収すると答えたのはこの1社のみだった。JBRCはこれ以上加盟していない業者の製品が増えれば対応が難しくなるとしている。
