今では国民食となったある料理の元祖という今年100周年を迎えた銀座の名店「三笠会館」。「インド風チキンカレー」は骨付き肉と砂肝がゴロリ。三笠自慢のコク深いデミグラスソースでいただく「煮込みハンバーグ」は肉汁が溢れ出る。本で紹介された名物は「骨付き鶏の唐揚げ」。外食メニューとして登場したのは約90年前の三笠会館が初めてだという。本が出た昭和30年代は銀座の街も華やぎ、「銀座に来たら三笠会館で鶏の唐揚げ」と言われるほどに。唐揚げのレシピは当時を受け継いだもの。岩手県産のブランド鶏を毎日さばき、秘伝のタレなどを絡める。鶏肉をカットした状態のまま揚げることで、自然な食感を生み出す。途中で空気に触れさせることでカリッとした食感になる。様々な部位の味が楽しめるのも人気のヒミツ。三笠会館総料理長・河原敏彦さんは「私が入って50年経つが、タレの配合の変更は一切ない。先人が考えたこの技はすごいなと思う」と話した。
			
