李尚福氏についてみていく。新華網によると李氏は1980年6月に中国共産党に入党し、その後ベトナムメディアによると軍の装備関連の要職を歴任し中国の軍の近代化に尽力してきたとのこと。去年10月中国人民解放軍を統括する中央軍事委員会に就任し今年3月国防相に就任している。ロイター通信によると2018年アメリカ政府は対ロシア制裁に違反したとして当時中国人民解放軍の兵器装備品の管理部門の部長だった李氏を制裁対象に指定したという。習主席はそんな李氏を国防相に抜擢したということでかなりの信頼を寄せていたのではと見られている。時事通信は中国当局が汚職を理由に取り調べを進めているとの憶測が広がっていると報じている。時事通信によると7月31日ロケット軍の司令官と政治委員の同時交代が判明したといい、中核となる両ポストの同時交代は極めて異例と伝えている。また7月4日にロケット軍の元副司令官が死去していて当初病死と伝えられていたがその後自殺判明した。ロケット軍の粛清がOBにも及んで追い詰められたとみられていると伝えている。近藤大介さんは「ロケット軍高官の不審死はアメリカへの情報漏えいが関連している可能性がある。汚職での解任は考えられない。情報漏えい疑惑に部下などが関与し責任を問われた可能性も考えられる」などと話している。習主席を巡っても今年に入って表舞台への登場が減っているということで憶測を呼んでいる。時事通信によると習主席はコロナ禍前の2019年は7回の外遊で計13カ国を訪れたという。しかし今年はロシアと南アフリカの2回だけになっている。特に注目されたのはインドで開かれたG20の欠席で朝日新聞デジタルは習主席はG7への対抗軸としてG20の枠組みを重視してきたと伝えている。2013年に国家主席に就任して以降G20には欠かさず出席してきた。近藤さんは「経済状況が悪い中国は欧米諸国との関係改善を急ぎたいが経済失速に傾いていることに対し多くの不満が蓄積している。習主席は国内問題への対処に追われている」などと推察している。