伊藤忠総研の玉井芳野氏が解説。中国で初めて全国規模での育児手当が導入される。先月末に導入が発表され、今月末に各地方政府で申請が開始される。今年の1月1日以降に生まれた子どもが満3歳になるまで、1人あたり年3600元(約7万2000円)の手当が支給される。今年1月1日以前に生まれた子どもも満3歳になるまで支給される。さらに今月初めには公立幼稚園の保育料を一部免除することも発表された。育児支援強化の背景には、急速に進む少子化への懸念がある。中国政府は一人っ子政策を導入してきたが、2016年には撤廃し2人目の出産を認めた。21年には3年目の出産も認め実質的に出産を奨励するような政策に転換したが、その後も出生数は減少傾向。国連が推計している合計特殊出生率も2018年以降急低下している。総人口は22年に減少に転じている。人口減少は労働力不足や消費、投資需要の低迷、高齢世代を支える若者世代の負担増など経済社会に様々な負の影響がある。中国の少子化の原因としては、一人っ子政策による出産適齢期の女性の人口減少やコロナ禍の影響もあるが、一番は経済的な負担がある。
伊藤忠総研の玉井芳野氏が解説。中国が経済的負担が大きいということにフォーカスして育児手当を導入したこと自体は評価できるが、やはり力不足。中国における養育コストはかなり高い。17歳までの養育コストは1人当たりGDP比6.3倍で、主要国の中では韓国に次いで高い。今回の育児手当で支給される額は養育コスト全体のわずか2%に過ぎず、専門家の間でももっと財政出動を拡大すべきとの声が出ている。中国は財政規律を重視してきたため、中央財政のほうにはまだ余裕がある。中国政府は昨年10月、包括的な出産育児支援プランを出している。多子世帯に対する住宅補助や出産育児休暇制度の整備、保育施設を増やすなどの話もある。今回の育児手当は、消費拡大のための社会保障充実の一貫と捉えられる。昨年から消費財買い替えの促進政策をやっていたが、やや短期的な政策。長期的な目線で消費喚起するには、社会保障を充実させることが必要と言われている。中国では消費不足が問題になっている。
伊藤忠総研の玉井芳野氏が解説。中国が経済的負担が大きいということにフォーカスして育児手当を導入したこと自体は評価できるが、やはり力不足。中国における養育コストはかなり高い。17歳までの養育コストは1人当たりGDP比6.3倍で、主要国の中では韓国に次いで高い。今回の育児手当で支給される額は養育コスト全体のわずか2%に過ぎず、専門家の間でももっと財政出動を拡大すべきとの声が出ている。中国は財政規律を重視してきたため、中央財政のほうにはまだ余裕がある。中国政府は昨年10月、包括的な出産育児支援プランを出している。多子世帯に対する住宅補助や出産育児休暇制度の整備、保育施設を増やすなどの話もある。今回の育児手当は、消費拡大のための社会保障充実の一貫と捉えられる。昨年から消費財買い替えの促進政策をやっていたが、やや短期的な政策。長期的な目線で消費喚起するには、社会保障を充実させることが必要と言われている。中国では消費不足が問題になっている。
