新竹県には、いま、相次いで高層マンションが建設されている。台湾の平均年収の100倍以上の金額の部屋が売り出され、問い合わせは相次いでいる。半導体の受託生産の世界最大手のtsmcの地元だ。世界的な半導体不足を背景に、半導体産業の設備投資が加速。半導体メーカー勤務の張さんはアメリカやドイツへの留学を経て、研究開発を行っている。広さ100m2のこのマンションに引っ越してきた。張さんは今の政権が進める経済政策に満足している。中国との距離が近くなった場合今の暮らしが送れなくなるのではないかという不安もある。総統選では与党の頼清徳候補に投票する予定だ。台湾は半導体産業を中心に好景気が続く。恩恵を受けていない人たちもいる。蔡英文総統を支持した若い人たちは、暮らし向きが悪化したと感じている。経済や格差の問題を重視する傾向が高まっているという。27歳の劉さんは私立の大学を卒業、研究者だ。月収は15万円。平均的な所得だ。家賃は2万3000円、手元に残るのは5万円ほど。洗濯は共同。部屋にキッチンはない。弁当は値上がりしているという。生計を切り詰めているという。将来の経済に不安を抱えている。4年前は蔡英文総統に投票。しかし、現在の状況を変えてほしいと野党に投票する予定だという。