映画の舞台は、1918年のビルマから始まる。大英帝国の公務員であるエドワードは、波止場で7年前に婚約したフィアンセの到着を待っていたが、急に結婚から逃れたい衝動にかられ、外国行きの船に飛び乗った。到着したシンガポールのホテルで婚約者のいとこと出会い、結婚について問われた。エドワードは婚約者から「シンガポールにまもなく着く」という電報を受け取り、逃れようとするためのアジア各国を股にかけるグランドツアーが始まる。バンコクでは華やかな王宮に迷い込み、ベトナムやフィリピンの活気に満ちた街角を目にし、ついに日本に。どこまで逃げても届く婚約者からの電報に追われるように、エドワードは中国の奥地へと向かう。映画は後半から、エドワードのフィアンセ・モリーの視点で描かれる。エドワードを探しながら、西洋と違うアジアの文化や風景、人々の営みを目にする。観るものを時空を超えた不思議な世界へと誘い込んでいく作品だ。