高齢者向けの再就職支援セミナーでは50代から70代のおよそ30人が人生100年時代に向けた面接対策などを行っていた。働く65歳以上の高齢者はおよそ914万人。この10年でおよそ300万人増えていて人手不足を補う貴重な労働力となっている(総務省「労働力調査」)。働きたい高齢者をどうやって増やすのか。厚生労働省の審議会で話し合われたのは働く高齢者がもらう厚生年金が減額されている在職老齢年金制度の改正について。例えば、月に45万円の賃金をもらっていて厚生年金15万円を受給している高齢者の場合。年金と賃金の合計は60万円となるが今の制度では基準となる50万円を超えた分の半額、ここでは10万円の半額の5万円分が支給停止となってしまう。年金財源の確保を理由とした、この制度。年金世代の50万円の壁と呼ばれ、高齢者が働き控えをする一因になっているのではと指摘されていた。きょうの議論では将来的に廃止することも視野に50万円の壁を引き上げる方向で一致した。62万円にまで引き上げる案などが検討される。