熊本市電でことしに入ってトラブルが相次ぐ中、熊本市は安全な運行の確保を最優先にするためとして来年導入を予定していた上下分離方式への移行を延期することになった。来年4月から市が出資する公社が運行や整備を行い、車両の購入や線路などの保有を市が担う上下分離方式を導入する予定だった。ことし脱線事故や信号の見落としなど事故につながりかねない重大インシデントなど国が認定した3件を含む14件のトラブルが起きている。熊本市交通局は専任の安全統括管理者を新たに置くなどして対策を進めていたが、上下分離方式の導入時期を延期することになった。大西市長は、安全を再構築するため九州運輸局から受けた改善指示や今後とりまとめられるインシデントの検証委の最終報告を踏まえ、上下分離の実施計画の内容を精査するよう指示したとしている。