山梨中央市の診療所を取材。動物を診療所で飼育することで人生の最期を支援している。診療所に動物を常駐させる取り組みを始めた長田さんは「ここを家庭と同じようにしたかった」と語る。17年前亡くなった患者の犬を診療所で飼い始めたのがきっかけ。はじめはなかなか理解が得られなかったというが「私が訴えてきたのは人にはない動物の力。患者さんや家族が動物によって少しでも癒される時間があってくれればいい」と語る。がんを患い緩和ケアを受けている磯野さんは動物との触れ合いを重ね日々を穏やかに過ごせるようになり、家族から見ても明るくなったと様子に変化があったという。この取り組みに注目した大学が患者への影響を調査したところ、動物と触れ合った患者の多くは自律神経機能のバランスが整いリラックス指数が上昇することがわかった。動物たちの存在はまた、患者の死に向き合うことが多いスタッフにとっても支えになっているという。長田さんは「動物を常駐させてよかったなと思っています。医療チームの一員であるし家族でもある。こういう施設がもっと増えたら幸せなのになと思います」と語った。