小中学校や高校などで使うデジタル教科書の活用について検討している中教審の作業部会は紙の教科書と同じように、正式な教科書に位置づけることが適当だとする中間案をまとめた。デジタル教科書は紙の教科書と同じ内容がタブレット端末などに盛り込まれていて、2019年から紙の教科書の代替教材として小中学校や高校などで使用が認められた。今年度からは小学5年生から中学3年生を対象に英語や算数、数学で本格的に使われ始めている。さらなる活用を検討してきた中教審の作業部会はきょう、中間案をまとめた。この中では学校教育のデジタル化が進み、デジタル教科書の有効性も示されているとして、紙と同じように正式な教科書に位置づけることが適当だとしている。その上で、紙だけやデジタルだけに加えて、紙とデジタルを組み合わせた形式も認めるべきだとし、各教育委員会が使用する教科書を選ぶとする方向性が示された。委員からは子どもの発達段階に応じた使い方を考える必要があるとか、教員によって活用に大きな差があるため、研修などの仕組み作りが重要だといった意見が出されていた。中教審の作業部会では今年の秋ごろをめどに、より具体的な方針を示すことにしていて、2030年度から新しい教科書の運用を始めたいとしている。