中国商務省は、日本、米国、EU(ヨーロッパ連合)、台湾から輸入する一部の化学製品が不当に安い価格で販売されている疑いで、ダンピングに関する調査を始めたと発表した。対象は自動車部品などに使われるポリアセタール樹脂と呼ばれるプラスチック製品。中国商務省は「日米などの企業の製品が高い競争力を持ち、中国側に“不利な影響”が出ている」と主張。調査対象の国や地域との間で、政治や経済分野での対立が深まる中、関税の引き上げを示唆して欧米をけん制した可能性を指摘する見方もある。対象となった台湾をめぐっては、中国側が敵視する民進党・頼清徳氏がきょう総統に就任することから、頼氏の政権運営に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。