台湾統一の意欲を示す中国の習近平指導部は、台湾の与党の民進党を独立志向が強いと批判し中台の対立が続いている。その影響は台湾で学ぶ中国の学生数にも出ている。中国から正式に学生たちが来るようになったのは2011年からで、当時中国に融和的な立場を取った台湾の国民党の馬英九政権のもとで交流が進んだ。その後も中台は接近し、4年後には中台分断後初の首脳会談が行われた。その波に乗って学生の数は2016年には9000人を超えている。しかし台湾で蔡英文政権が発足した後の中国からの学生の数は徐々に減少していった。
台北市内の大学の卒業式では、新型コロナウイルスの影響で対面での開催が4年ぶりに行われた。卒業生の中には中国から来た学生の姿もあった。しかし中国からの学生が台湾の大学を卒業していく姿は来年見られなくなる見通しだ。その理由は2020年に中国政府が発表した措置で、中国側は新型コロナに加えて中台関係の状況を理由に新たに台湾に学生が行くことを停止すると発表した。それから3年が経ち、今年の卒業式をもって台湾の大学で学ぶ中国からの正規の学生は事実上ゼロになった。そんな状況に中国・台湾の双方の学生から惜しむ声があがっている。幼い頃に台湾のテレビドラマに憧れた事をきっかけに台湾の大学に行くことを決めた向さんは、台湾にやってきてまもなく趣味の写真やファッションの話で意気投合した劉さんと親友になった。向さんは台湾の友人たちが自分の出身と関係なく付き合ってくれたことが嬉しかったといいい、今後大学での生活を通した中台の若者同士の交流が途絶えてしまうことを心配している。中国から来た学生の中には台湾で多様な価値観に触れ、自分の考えが変わったと打ち明ける人もいる。そうした若者が増えることは中国側が望まないことではないかと指摘する。政治の緊張が続く中国・台湾の関係は、若者たちに友情や築きをもたらしてきた学生の交流にまで影を落としている。台湾では来年1月に総統選挙が行われる予定で、その結果が若者たちの交流にどのような影響を与えることになるのか注目される。
台北市内の大学の卒業式では、新型コロナウイルスの影響で対面での開催が4年ぶりに行われた。卒業生の中には中国から来た学生の姿もあった。しかし中国からの学生が台湾の大学を卒業していく姿は来年見られなくなる見通しだ。その理由は2020年に中国政府が発表した措置で、中国側は新型コロナに加えて中台関係の状況を理由に新たに台湾に学生が行くことを停止すると発表した。それから3年が経ち、今年の卒業式をもって台湾の大学で学ぶ中国からの正規の学生は事実上ゼロになった。そんな状況に中国・台湾の双方の学生から惜しむ声があがっている。幼い頃に台湾のテレビドラマに憧れた事をきっかけに台湾の大学に行くことを決めた向さんは、台湾にやってきてまもなく趣味の写真やファッションの話で意気投合した劉さんと親友になった。向さんは台湾の友人たちが自分の出身と関係なく付き合ってくれたことが嬉しかったといいい、今後大学での生活を通した中台の若者同士の交流が途絶えてしまうことを心配している。中国から来た学生の中には台湾で多様な価値観に触れ、自分の考えが変わったと打ち明ける人もいる。そうした若者が増えることは中国側が望まないことではないかと指摘する。政治の緊張が続く中国・台湾の関係は、若者たちに友情や築きをもたらしてきた学生の交流にまで影を落としている。台湾では来年1月に総統選挙が行われる予定で、その結果が若者たちの交流にどのような影響を与えることになるのか注目される。