武井氏が訪れたのは和歌山県串本町。目の前に現れたのは海に浮かぶたくさんの巨石。巨石が橋脚のように並んでいることから橋杭岩と呼ばれている。串本町は南海トラフ巨大地震の想定震源域。フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈みこむ場所が南海トラフ。南海トラフ巨大地震が今年になり今後30年以内に発生する確率は80%程度に引き上げられるなど研究が行われている。そんな南海トラフ地震の研究に橋杭岩が関係しているという。40個ほど数があるが850mに渡ってほぼまっすぐに並んでいる。干潮時には近づいて観察も可能。大きいものだと高さ10m以上で一般的な三階以上の建物と一緒の高さがある。橋杭岩はマグマが地表近くで冷えて固まった流紋岩。火山活動によって海の中にできた地層の割れ目にマグマが入り込み、冷えて固まる。海底が隆起し、波などの侵食によって周りの地層が削られ橋杭岩自体も所々削られ現在の姿に。