- 出演者
- 所ジョージ 佐藤真知子 武石鈴香
オープニング映像。
巨石は長年注目されている。今回武石鈴香が調査を行う。今回訪れたのは鈴鹿山脈。そこにあったのは落ちそうで落ちない不思議な巨石で、巨石の研究で巨大地震の予測に繋がる可能性が!?
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- 鈴鹿山脈
やってきたのは岡山県赤磐市。そこにある巨石は神社の御神体として祀られているゆるぎ岩。5mの巨石がわずかな支点で支えられていて、人の力でぐらぐらと動く。なぜこんな絶妙なバランスなのか?ゆるぎ岩は8000万年前にマグマが地下深くでゆっくりと冷えて固まった花崗岩でできている。花崗岩は冷えて固める時に収縮し、規則的な割れ目ができるがこれを節理と呼ぶ。そして地表付近の花崗岩は、節理に沿って雨水や地下水が染み込み風化が起こる。こうした長い年月を経て地表に出てきたものがゆるぎ岩。早稲田大学の高木秀雄は地上に露出して風化が進むと面が丸みをおびていくという。すると接触している面積が小さくなる。外側は風化して砂になるが接触面は荷重がかかるのであまえい侵食されないという。岩が傾くと開放された部分の風化が進み、逆に傾くと反対側の風化が進む。上の岩石の重心と接合面が一致し、シーソーのような岩ができたという。ゆるぎ岩は中心を保ちながら風化が進んだことで絶妙なバランスの巨石に。
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- 赤磐市(岡山)
日本各地にも不思議な巨石は存在し、広島県には西岩岳のゆるぎ岩。岡山県のゆるぎ岩と同じように地表に出てきた花崗岩が風化し、現在の姿に。花崗岩には規則的な割れ目である節理ができる特徴があり、島根県には天馬山の割れ石がある。花崗岩が山頂付近から転がり落ちてその衝撃で節理に沿って割れたと考えられている。
武石がやってきたのは三重県菰野町。珍しい巨石があると聞いてやってきたのは御在所岳。御在所岳は山全体が花崗岩でできていて様々な巨石にあえる巨石の宝庫。大黒岩は大黒様が岩の上に座っているように見えることが由来。その高さは10m。巨石はある生きものに見えると付けられたのは鷹見岩。鷹が羽を休めているようにみえる。武井氏がガイドとともに山登りへ。発見したのは8mもある巨石でおばれ岩といっておんぶされるようになっていてかつ、地元言葉のおばれるからその名が来ているという。左の岩が右の岩をおんぶして支えている用に見える。
左の岩が右の岩をおんぶして支えている用に見える。おばれ岩は何故倒れないのか?おば令和が規則正しい割れ目である節理をもった花崗岩だという。早稲田アカデミーの高木教授によると風化が不十分で地下の花崗岩が部分的につながっている可能性があるという。2つ目のポイントはおばれ岩の左側にある小さな岩。おばれ岩が倒れないのは、地下で他の花崗岩とつながっている可能性があるという。そして小さな岩脈が支えとなっている。
御在所岳をのぼる武石、険しい道をのぼるとその先には地蔵のように見えることから地蔵岩と呼ばれている。高さおよそ2mの2枚の岩の上にサイコロ状の岩が乗っている。上の岩が落ちそうで落ちないことから受験生にも人気。地蔵岩は直方体の節理をもった花崗岩で、できているために四角い形をしている。地蔵岩はもともと地中に埋まっていた花崗岩が地表に出てきたもの。絶妙なバランスで岩が乗っかっている理由に専門家は下の花崗岩が傾いた時にその隙間に上の岩が溝にはまり、奇跡的にできた自然の造形だという。しかしなぜ倒れないのか?には傾いた岩は周りにある岩に支えられているという。また映えスポットとしても人気の場所だという。
武井氏が訪れたのは和歌山県串本町。目の前に現れたのは海に浮かぶたくさんの巨石。巨石が橋脚のように並んでいることから橋杭岩と呼ばれている。串本町は南海トラフ巨大地震の想定震源域。フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈みこむ場所が南海トラフ。南海トラフ巨大地震が今年になり今後30年以内に発生する確率は80%程度に引き上げられるなど研究が行われている。そんな南海トラフ地震の研究に橋杭岩が関係しているという。40個ほど数があるが850mに渡ってほぼまっすぐに並んでいる。干潮時には近づいて観察も可能。大きいものだと高さ10m以上で一般的な三階以上の建物と一緒の高さがある。橋杭岩はマグマが地表近くで冷えて固まった流紋岩。火山活動によって海の中にできた地層の割れ目にマグマが入り込み、冷えて固まる。海底が隆起し、波などの侵食によって周りの地層が削られ橋杭岩自体も所々削られ現在の姿に。
南海トラフ地震の研究にも関係している橋杭岩。その周りには1000個以上の岩が散らばっている。散らばっているのは橋杭岩から分離した岩で、これらが南海トラフ地震の研究に役立っている。津波によって分離した岩が運ばれ、その岩は津波石と呼ばれているという。その中で最も重いものは85トン。最近の研究で未知の巨大津波があったことがわかったという。産業技術総合研究所の専門家に話を聞いた。南海トラフ地震の研究を行うなかで2006年から橋杭岩の調査を開始したという。巨礫の位置や大きさを調べれば過去にどんな津波があったのか分かるのではないか、将来の南海トラフ地震の予測に役立つのではないかと調査・研究を開始した。実際に橋杭岩周辺に行き、少なくとも1311個ある巨礫の大きさを測り、位置も測定した。データを基に津波の計算を行い礫が津波によって動くか計算したところ過去最大と呼ばれる宝永地震による津波では動かない礫も存在することが分かった。結果は過去に宝永地震による津波より大きな津波が存在していたことになる。宝永地震は1707年に南海トラフで発生した巨大地震。推定マグニチュード8.6で南海トラフ沿いで歴史上最大の地震とされている。宝永地震で発生したと考えられる津波で岩が動くか計算。その結果、重さ10tを超える岩の多くが動かないと判明した。しかし重さ10t超えの岩も離れた位置に散らばっている。つまり宝永地震を超える巨大津波が存在していた。巨石が地震の研究に役立っていた。
次回の「所さんの目がテン!」の番組宣伝。
番組はTVer、huluで配信。