やってきたのは岡山県赤磐市。そこにある巨石は神社の御神体として祀られているゆるぎ岩。5mの巨石がわずかな支点で支えられていて、人の力でぐらぐらと動く。なぜこんな絶妙なバランスなのか?ゆるぎ岩は8000万年前にマグマが地下深くでゆっくりと冷えて固まった花崗岩でできている。花崗岩は冷えて固める時に収縮し、規則的な割れ目ができるがこれを節理と呼ぶ。そして地表付近の花崗岩は、節理に沿って雨水や地下水が染み込み風化が起こる。こうした長い年月を経て地表に出てきたものがゆるぎ岩。早稲田大学の高木秀雄は地上に露出して風化が進むと面が丸みをおびていくという。すると接触している面積が小さくなる。外側は風化して砂になるが接触面は荷重がかかるのであまえい侵食されないという。岩が傾くと開放された部分の風化が進み、逆に傾くと反対側の風化が進む。上の岩石の重心と接合面が一致し、シーソーのような岩ができたという。ゆるぎ岩は中心を保ちながら風化が進んだことで絶妙なバランスの巨石に。