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「丸木位里」 のテレビ露出情報

原爆投下直後の惨状などを描いた「原爆の図」。広島、長崎から遠く離れた場所で20年以上にわたってこの作品と向き合い続けてきた1人の学芸員の思いを取材した。この絵を描いたのは広島出身の水墨画家、丸木位里。そして油彩画家の妻、丸木俊。被爆直後の広島に入った2人はその惨状を原爆の図として描き始めた。その後、2人は位里の故郷広島の風景を思わせる埼玉県東松山市に美術館を開き、この地で創作活動を続けた。原爆の図は15の連作となり、そのほとんどがこの美術館に展示されている。被爆の実相を生々しく伝える作品として今も多くの人たちが訪れる。学芸員の岡村幸宣さんは20年以上にわたって訪れた人たちに作品が生まれた背景などを説明してきた。2001年、岡村さんは原爆の図と向き合っていきたいと美術館に就職した。しかし、直面したのは丸木夫妻が亡きあと来館者が減っていく現実だった。この作品を多くの人に知ってもらうために被爆者でも被爆地出身でもない自分に何ができるのか、着目したのは作品を知らない若い世代だった。埼玉県内の高校で講演したことをきっかけに各地の学校に足を運ぶようになった。この日も都内の大学を訪れ、作品に先入観を持ってもらいたくないと意見を交わし、原爆の図を見ることの意味について考えてもらった。今では年間10校以上で講演を行うようになり、美術館を訪れる若い世代も徐々に増えてきている。ノーベル平和賞の授賞式を控えた今月7日にも大学生たちが訪れた。まず率直な感想を聞き、そのうえで学生たちにここを訪れた多くの被爆者のことを話し始めた。被爆者が高齢化する中、原爆の図を見て何を感じたかは自分が語り継いでいくべきだと考えている。きのう、日本被団協は核兵器の廃絶を訴えるとともに次の世代へのメッセージも発信した。改めて原爆の図のもとへ向かった岡村さんは被爆者への思いを未来につなげていくために、これからも原爆の図と歩み続けていく。美術館では原爆が投下されてから80年となる来年、国内外での作品の展示に力を入れていくという。

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