G7サミット(主要7か国首脳会議)で印象に残っているのは、2018年、カナダでのサミット。米国・トランプ大統領と各国の首脳が激論となり、国際政治がその場で動く独特の緊張感があった。一方で近年はG7の存在感が低下しているのではないかといった指摘もある。かつては今の7か国に加え、ロシアも同じテーブルに着くG8サミットの時代があった。ところが2014年に起きたロシアによる一方的なクリミア併合を受け、ロシアは排除され、G8からG7へと戻った。ロシア・プーチン大統領は、今回のG7が終わった来週前半にも北朝鮮を訪問する方向で調整が進められている。去年は北朝鮮・キムジョンウン総書記がロシアを訪れていて、両国は関係を深めている。ロシアや覇権主義的な動きを強める中国に対抗するためにも、G7の影響力が問われているが、一方で今回集まったリーダーたちの多くは、内政に課題を抱えていて、選挙を控えている国もある。世界の課題解決を主導する役割を果たせるのか、G7もまた正念場を迎えている。