全国の酪農家の数は減り続けており、今年初めて1万を下回った。背景について農林水産省は酪農家の所得の減少があるとしている。業界団体のアンケートによると、経営は赤字と答えた酪農家は58.9%、離農を考えたことがある47.9%だった。酪農家・山田哲義によると、輸入したエサ代の高騰で利益がほとんど出ない状況が続いているという。町内の農家が栽培したライ麦を混ぜるなどしてコストを下げる工夫をしているが経営は厳しい。北海道大学大学院・小林国之准教授は「これまでの楽のスタイルを支えてきたのは安価な穀物が輸入で手に入ったことや円高傾向が維持されるなどの条件が整っていたから。食料の安全保障をどう考えるのか、国内の農地をいかに最大限活用するかを前提に酪農だけでなく農業のあり方を考えることが求められる」と話す。