第173回の芥川賞と直木賞はいずれも「該当作なし」と発表された。いずれも「該当作なし」となったのは1998年1月の第118回以来27年ぶりで、今回で6回目となった。芥川賞選考委員・川上弘美さんは「新しい試みはたくさんあったが、次の作品にも期待したい」と話した。直木賞選考委員・京極夏彦さんは「各作品が拮抗していたが突出した作品がなく、どれか一つを選ぶわけにはいかなかった」と振り返った。ただ、京極さんは講評で「候補の段階で多くの読者が感動していることは間違いない作品たちなので、ぜひ書店に足を運んでほしい」と話していた。「NO YOUTH NO JAPAN」代表・能條桃子は「本屋さんも経営が大変で出版も不況な中で芥川賞、直木賞をきっかけに小説を読もうという人もかなり多いと思うので、今回ないのは打撃なのかなと思う」とコメントした。今回、芥川賞では4作品、直木賞では6作品が候補となっていた。