京都駅に直結するホテルの中に京都の伝統工芸品を身近に感じてもらおうと2022年セレクトショップがオープンした。商品の中に、登竜門の図柄の京焼や白地に凹凸の模様を施した茶器が並んでいた。この器を手掛けたのは高島慎一さん。鮮やかな発色が印象的な交趾という中国伝来の焼き物を制作してきた。交趾の特徴は凹凸のある紋様。これはいっちんと呼ばれる技法によって生み出される。ケーキのデコレーションのように粘土で絵を描いている。色は妻のあおいさんが行っている。高島さんを新たな京焼の道に導いたのが建築士の中原典人さんだった。中原さんは数名の作家とともに京焼の可能性をさぐる様々なプロジェクトを立ち上げてきた。高島さんはホテルの内装材として京焼を提供した。これをきっかけに京焼の新しい可能性を見出したという。あるホテルのプロントには「いっちん」のタイルが貼られていた。