半導体関連が当初利益確定売りに押される中、バリュー株・高利回り株に物色がシフトした。内外の金利上昇も支えに銀行が週明けから買われ、卸売・鉄鋼も週末に向け上げ幅を広げた。一方で前週に急伸した保健の反動売が継続。その他製品は任天堂の急落が響いた。先週の下落銘柄7位のミスミグループ本社は中国景気不信の中、2期連続の減益見通しで約4年ぶりの安値をつけた。中外製薬は今話題の肥満症治療薬を巡り、イーライリリーからのロイヤルティー収入の詳細が明らかになり、期待ほどではなかったとの見方が重荷になった。3位は任天堂。投資家の期待が高かった家庭用ゲーム機の次世代機発売が2025年にずれ込むとの報道が嫌気された。先週の上昇銘柄10位の八十二銀行、京都フィナンシャルグループなどPBR1株割れの地銀株が買われた。大塚商会、レゾナック・ホールディングスのように好業績への評価が継続したケースも多くみられた。1位のあおぞら銀行は先の決算でアメリカ不動産事業悪化の余波で最終赤字に転落。期末配当見送りが嫌気され一時4割近く急落し、約3年ぶりの安値をつけた。値ごろ感からの見直し買いが入ったタイミングで先週半ばには自己資本比率9%台維持と発表。急速なリバウンドにつながった。今週の相場について林氏は配当利回りの高い銘柄群への買い姿勢も継続するのではないかとした。