NY証券取引所から岡三証券NY・荻原裕司の解説。今回のFOMCでは利上げ見送りとなった。秋にかけて株価は上値の重い展開になりやすい。要因は9月のFOMCに向けた利上げ観測の高まり。原油価格が再び上昇していることやAIブームによるインフレ圧力が利上げを後押しするとみている。現在、半導体メモリー価格の上昇が続いているが、クラウドサービスやソフトウェアなどの利用量も上昇することでインフレへの寄与が想定される。これまで市場はAIは生産性を押し上げて物価を抑えるとの楽観的な見方が主流だったが、足元ではこれを疑問視する動きも増えている。1990年代は働き手の増加やグローバル化によって生産性が高まり物価が抑制された。現在は人手不足や脱グローバル化の最中のため、AIのみでの生産性向上では物価抑制は困難との見方も株価の重しとなりそうだ。年末にかけて利上げ観測が徐々に和らぎ株価の追い風になるとみている。理由は主に2つ。1つ目はメモリー価格のピークを指摘する見方がある点。一部アナリストは「半導体メモリー価格は2026年末にピークに達する」としている。2つ目はFRBが業務見直しに向け設置した5つのタスクフォースによる結論内容。AIによる生産性向上を認めるような立場が示されると予想され、市場のAIに対する楽観論を誘う可能性がある。これらに加え、中東情勢が落ち着き原油高によるインフレという要因も剥落してくるとFRBはタカ派姿勢を緩めることが可能になり、株価も再び高値を更新すると想定している。
