去年10月、羽生結弦さんは都内へ。この日はアイスショーの共演者との打ち合わせだった。緊張気味の羽生さんを待っていたのは狂言師の野村萬斎さん。今回初めてアイスショーで共演する。アイスショー「notte stellata」は一昨年3月にスタート。羽生さんたっての希望で毎年3月、宮城県で開催されている。notte stellataは羽生さんの代表的なプログラムの1つ。イタリア語で「星降る夜」を意味する。羽生さんは東日本大震災で被災。停電の暗闇のなかで見た満天の星に希望を感じたという。このプログラムのテーマは「ふるさと・被災地への愛」。被災地から希望を伝えたいという思いを仲間と届けるショーだ。一方このショーは異なるジャンルの第一人者との共演も見どころに1つ。一昨年は体操の内村航平さん、去年は俳優の大地真央さんとコラボ。アイスショーの可能性を広げ続けている。そして3回目の共演者が萬斎さんだ。萬斎さんは狂言の名門一家に生まれ、俳優や演出家としても活躍している。羽生さんと萬斎さんが初めて対面したのは10年前。珍しく取り乱した羽生さんは当時20歳。子どものころから萬斎さんの大ファンだった羽生さんたっての希望で対談が実現した。実は羽生さんがオリンピックで金メダルに輝いた「SEIMEI」は対談で萬斎さんからアドバイスをもらっていた。この時の教えが羽生さんの表現に大きな影響を与えたという。萬斎さんはまた、記憶に残る演技のためには観客だけでなく会場全体に意識を向けることが大切だとアドバイスした。羽生さんは萬斎さんの教えを精一杯吸収した。
そんな憧れの萬斎さんと約9年ぶりの再会。2人は初めて1つの演目で共演する。ほぼ白紙の状態から内容を練っていく。内容はまだ明かせないが次々とアイデアを出しあった。狂言とフィギュアスケート、どんな相乗効果が生まれるのか。最高の演技を届けるために羽生さんは研鑽を続けている。ほかの競技を参考にスケートに適したトレーニングを自ら考案。週6日、陸上トレーニングに励んでいる。氷上での練習は1日3時間。高難度の4回転ジャンプ。ジャンプの間隔のわずかな狂いも自ら調整する。競技時代よりも練習はハード。萬斎さんも本番に向けてイメージを高めている。羽生さんとのコラボでは演出も担当する。東日本大震災からまもなく14年。このアイスショーが震災について考えるきっかけになったら、と羽生さんは願っている。
そんな憧れの萬斎さんと約9年ぶりの再会。2人は初めて1つの演目で共演する。ほぼ白紙の状態から内容を練っていく。内容はまだ明かせないが次々とアイデアを出しあった。狂言とフィギュアスケート、どんな相乗効果が生まれるのか。最高の演技を届けるために羽生さんは研鑽を続けている。ほかの競技を参考にスケートに適したトレーニングを自ら考案。週6日、陸上トレーニングに励んでいる。氷上での練習は1日3時間。高難度の4回転ジャンプ。ジャンプの間隔のわずかな狂いも自ら調整する。競技時代よりも練習はハード。萬斎さんも本番に向けてイメージを高めている。羽生さんとのコラボでは演出も担当する。東日本大震災からまもなく14年。このアイスショーが震災について考えるきっかけになったら、と羽生さんは願っている。