市がもう一つ進めるのが人材紹介などを行う社団法人と協定を結び、地元企業に新たな人材を派遣する取り組み。社団法人が選抜した起業に関心がある若者を事業責任者として地域の企業に原則2年間派遣。若者の視点から職場環境を改善したり、新規事業を生み出したりするというねらい。この団体から若者を受け入れている市内の中小企業。半世紀以上、トラックの整備や販売などを行ってきた。今月からこの会社で働き始めた佐々木夏凛さん。学生時代、起業家の友人らと学習塾の運営に携わってきた。今、佐々木さんは人事部に所属し、配属先をいつ決めるかなど新人研修の仕組み作りに関わっている。さらに若者を受け入れたことで結果が出始めている企業もある。ペットと飼い主のマッチングサービスなどを手がける社員数116人のIT企業。今、社長の右腕として活躍しているのが新井怜さん。経営学を学び、裁量が大きい仕事に取り組みたいと応募した。新井さんが上げた成果の一つが同僚と共に手がけたアプリの開発。社員どうしが部署を横断して仕事で感じた感謝の気持ちを送り合うことができる。実は新井さんが入った当時は社員数100人を超えようとする拡大期で社内のコミュニケーションが課題となっていた。そうした中、アプリによって課題が改善。今後の事業規模、採用者数の拡大につなげていきたい。