仙台育英高校・硬式野球部の須江航監督は、2022年の夏の甲子園でチームを東北勢初の優勝に導いた。教員、そして指導者として生徒たちに伝え続けていることがある。須江監督がことばの大切さを強く感じるようになったきっかけがあった。須江監督が「青春って、密」そのことばを発した2022年。3年ぶりに行動制限がない大型連休を迎えるなど、感染防止と社会活動を両立させる動きが広がっていた。一方で、学校の部活動は練習時間が制限されるなどコロナ以前の状態には戻っていなかった。そして迎えた夏の甲子園。球児たちははつらつとプレーし、仙台育英が初優勝を果たした。須江監督は全国の高校生に思いを馳せ、あのことばを発した。大会後、学校には全国からメッセージが届いた。メッセージの多くは、高校生の子どもを持つ親や教員からだった。あれから3年。部活動の制限はなくなり、生徒たちにも日常が戻っている。今しかできないことに精いっぱい打ち込んでほしい。須江監督は、変わらぬ思いで生徒たちと向き合い続けている。