岸田首相の突然の表明は昨日までの膠着状態を打開する一手としては効果があったと言える。審査会は公開の在り方を巡って調整がつかず、与党内からもリーダーシップを求める声が出ていたが、今日の決断で公開の流れができた。実際に出席する1人は「岸田首相が公開なら仕方がない」と話している。一方で岸田首相としては膠着状態が続けば新年度予算案の審理にも影響が出かねないという危機感もあったとみられる。予算案には能登半島地震に対応する経費も含まれているので「被災地のことを考えた捨て身の覚悟ではないか」と話す政府関係者もいる。ただ、政府与党が目指す予算案の明後日の採決については野党側と合意に至っておらず協議が続く見通し。今回の問題について岸田首相はこれまでも予算委員会で答弁してきた。また、審査会に出席する1人も「記者会見での説明を繰り返すだけではないか」と話していて、国民が納得できる説明となるかは不透明。審査会の内容次第では野党側は実態解明のため関係議員参考人招致や証人喚問を求める構えも見せている。さらに再発防止に向けた政治資金規正法の改正などもこれから。政治とカネの問題が尾を引くことは間違いなく、信頼回復できるかは今後の取り組みにかかっていると言えそうだ。